返済中のもしもを保障する住宅ローン
住宅ローンを利用する際、死亡に備える「団信保険」(団体信用生命保険)に加入するのが一般的です。最近では、保障内容を充実させた団信保険とセットになった住宅ローンも登場しています。
1.もしものときに・・・ 「団信保険」
住宅ローン返済中に万一死亡してしまったら、多額の借金を遺族に残すことになります。そんなリスクに備えるのが「団信保険」です。これは返済中、ローン借入者が万一死亡(または高度障害)したときに、本人に代わって生命保険会社が住宅ローンの残債を一括して支払う保険です。住宅ローンが残ることがなく、遺族(または家族)が安心してマイホームに暮らすことができるのです。
団信保険は死亡だけではなく、高度障害状態になっても死亡と同じ保障が適用されます。高度障害状態とは、両眼の視力や言語機能を永久に失った、著しい障害で終身、要介護になったなど、重い障害を指します。銀行など民間金融機関の多くは、団信保険の加入を義務付けています。この保険料は、ローン金利の中にあらかじめ組み込まれているので、保険料としての負担はありません。 一方、フラット35を利用する場合は、年に1回、保険料(1年目では1000万円当り28100円)を支払うことになりますが、元金が減るにしたがって保険料が安くなる仕組みになっています。
2.病気になったら・・・ 「特定疾病保障付き住宅ローン」
前述の団信保険は、死亡または高度障害になったときに適用されます。この保障に加えて、がん・急性心筋梗塞・脳卒中といった3大疾病の保障もついた「特定疾病保障付き住宅ローン」を取り扱う民間金融機関が増えています。さらに、高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎といった5大重度慢性疾患も保障するものもあります。 例えば、ローン返済中にがんと診断されると、ローン残債相当額の診断給付金が支払われて住宅ローンが完済されます。もちろん、がんが治った場合でも診断給付金を返還する必要はありません。ただし、過去にがんにかかったことがある人は、加入できません。また、上皮内がん(上皮内新生物)および皮膚がん(皮膚の悪性黒色腫以外)といった、転移の可能性がないものは、保障の対象外となります。 がん以外では、脳卒中または急性心筋梗塞の場合は、発病してから60日以上所定の状態が継続していると診断されると、がんの場合と同様に住宅ローンが一括返済されます。
マイホーム計画は健康なときに
このように、特定疾病保障付き住宅ローンは保障の範囲が広く、安心感があります。この保険料は、金利に0.1~0.3%程度上乗せされている場合や、キャンペーンなどで無料にしているところもあります。しかし、こうした保障は、民間金融機関で扱うすべての住宅ローンについているとは限りません。事前確認が必要です。また、健康状態によっては、団信保険や特定疾病保障保険への加入を断られることもあります。マイホーム計画は、健康なうちに始めるようにしましょう。