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住宅ローンの種類 と選び方

資金計画の柱になる住宅ローン。一口に住宅ローンといっても、種類は実にさまざま。金融機関ごとに特色ある住宅ローンが多数ラインアップされています。ローンの仕組みや特徴をしっかり把握して、無理のない返済計画を立てましょう。

住宅ローンの種類と特徴

住宅ローンを金利のタイプで分けると、「固定金利型」「固定金利特約型」「変動金利型」に大別されます。それぞれの特徴を知って資金計画に役立てましょう。

(1)固定金利型 ~返済終了まで返済額が変わらない 金利上昇にも安心

「固定金利型」は、最初に決められた金利が返済終了まで変わらないローンです。将来の金利変動に左右されることなく返済額が固定されます。 住宅ローンの返済期間は、25年や30年など長期になることが少なくありません。固定金利型は、金利が上昇してもその影響を受けることなく将来にわたって安定した返済が可能。現在のような低金利時代に長い返済を予定する人にとって、固定金利型は最適なローンといえます。

  • 「フラット35」とは?
    固定金利型ローンの代表格として、「フラット35」があります。フラット35は、03年10月から取り扱いを始めた住宅金融支援機構の証券化支援事業を利用した固定金利型の住宅ローンです。民間金融機関の住宅ローンを住宅金融支援機構が買い取り、それを証券化して投資家に発行する仕組みにより、長期間の固定金利型ローンが出せるようになったのです。金利は金融機関ごとに異なります。 フラット35の融資手数料(契約の際に支払う)は、3万円や5万円といった定額にしている場合と、融資額の1.0%~2.1%としているところがあります。どの金融機関のフラット35を選択するのかについては、金利の低さだけではなく、融資手数料や店舗の利便性なども考慮しましょう。
(2)固定金利特約型~特約期間が過ぎると見直しに 短期返済を目指すなら金利も低く有利

銀行など民間金融機関の住宅ローンでは、3年間や5年間など一定期間の金利を固定する「固定金利特約型」が主流になっています。固定金利の特約期間は一般的に3年、5年、7年、そして10年。その期間が短いほど金利は低くなります。 特約期間が終了すると、次に固定金利の期間を何年にするか、あるいは変動金利に変更するかを選択する仕組みになっています。返済額は特約期間が終了した時点の金利状況によって見直されます。もし、金利が上昇していると、返済額も大幅に増えることになります。

  • 将来の金利上昇を考えると・・・
    現在、多くの金融機関では申込期間などを限定して、固定金利特約型の最初の金利を特別に低くするキャンペーンを行なっています。また、固定金利の特約期間が終了しても、返済終了までの間、基準金利から1~1.5%程度を低くして、金利上昇リスクを緩和するという優遇を設けている金融機関もあります。 しかし、現在のように金利が低いと、将来金利が上昇する可能性が大きく、家計に余裕がなければ、増加分に対応できないことにも予想されます。
  • 一括返済か短期完済向き
    例えば、2500万円を3年の固定金利特約型ローンでキャンペーン金利1.3%、35年返済で借りたとします。最初の3年間の毎月返済額は、74121円(ボーナス併用返済なし)ですが、3年の特約期間が終了時点の金利が3%だったら、毎月の返済額は94341円に上昇。年間では24万円以上のアップになります。 このように、固定金利特約型は近い将来、退職金などで一括返済できる人や、もともと短い期間での完済を目指す人に適しているローンといえます。
(3)変動金利型 ~金利は半年ごとに見直し

変動金利型は、半年ごとに金利が見直されるのが一般的です。金利の変更があっても5年間は返済額が一定で、見直しは5年ごとに行われます。その際、金利の上昇が続いていても、返済額が急激に引き上げられることはなく、それまでの返済額の1.25倍までに抑えられます。もちろん金利が低くなると、新たな返済額は減り、利息の負担も少なくなります。 また、変動金利型には、どんなに金利が上昇しても、これ以上には上がらないという上限を設けた「キャップ型」があります。ただし、その金利は一般的なタイプに比べて高めに設定されています。

(4)財形住宅融資 ~返済額の見直しは5年ごと

「財形住宅融資」は、財形貯蓄を1年以上続けていて積立残高が50万円以上ある人が利用できる公的な融資制度です。この制度は金利と返済額の見直しが5年ごとに行われるので、「5年ごと固定金利型」とも呼ばれます。 固定金利といっても、変動金利とあまり変わりません。金利の上昇しだいでは、返済額がアップすることを覚悟しておく必要があります。

(5)社内融資 ~諸費用がお得に

会社員や公務員は勤務先の住宅貸付、つまり「社内融資」の有無を事前に確認しておきましょう。金利の有利性に加えて、保証料不要、抵当権の設定なし、というところも多く、諸費用の節約につながります。社内融資制度は、退職時に退職金と相殺する形で返済する仕組みなので、借りられる金額は現時点での退職金の見込み額の範囲内となります。

  • 実際の金利は申込み時?実行時?
    住宅ローンには、融資申し込み時点の金利を適用するタイプと、融資実行時点の金利を適用するタイプがあります。つまり、住宅ローンを選ぶときには、その内容と同時にタイミングも重要です。ちなみに、融資の実行とは金融機関から借り入れ金が支払われることで、物件が完成して引渡されるときと考えていいでしょう。 申込み時の金利を適用するのは財形住宅融資があります。融資申し込みから融資の実行までの数カ月の間に金利が上昇しても、申し込み時点の金利を適用するため、当初予定していた返済額が変わることはありません。 一方、融資実行時の金利を適用するのは、銀行などの民間金融機関のローンやフラット35があります。低金利の住宅ローンを選んでも、このタイプだと安心はできません。返済計画にゆとりを持たせておいた方がいいでしょう。 なお、フラット35では、融資実行時に金利の低い金融機関を選ぶ目的で、複数の金融機関に申込みをすることができます。ただし、それぞれの金融機関に対して収入証明などの申込み書類の提出をすることや、辞退する手続きなどが必要になります。
  • 目先の金利の低さに惑わされない
    超低金利をうたった住宅ローンの多くは、固定金利が3年、5年といったものがほとんど。その固定金利期間が過ぎたらその時点の金利を適用していくため、金利の上昇があれば返済額もアップすることになります。 短期間で完済する計画であれば金利上昇リスクは小さくすみますが、逆に長期の返済になるほど将来の金利上昇リスクは大きいものになります。 金利上昇による返済額アップを軽減させる方法として、固定金利型ローンと、変動金利型または固定金利特約型の組み合わせも検討するといいでしょう。 今や1%台の住宅ローンもありますが、目先の低い金利にとらわれて長期の返済計画を安易に立てるのは禁物です。資金計画を立てるときには、金利上昇リスクや諸費用、完済時年齢などをトータルに判断して慎重に選択するようにしましょう。

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